子供部屋にタイルカーペットを敷きました!
タイルカーペットというものをご存知ですか? カーペットというくらいだから敷物なのですが、簡単に言うと 正方形に切り出された裏ゴム貼りのカーペットのことです。 タイル状に敷きつめて使うので、タイルカーペットと呼ぶ・・・のでしょう。
オフィスなどの職場でご覧になったことのある方は多いでしょう。 私が学生の頃(20年以上前)、学校に導入されたパソコン室の 床全体に敷き込まれていたのを覚えています。オフィスのみならず、一般家庭にも当然使うことができます。 ・・・というより、もっと一般に普及してもいい商品だと思っています。
フローリングの床と比べれば当然断熱性がありますから、 冬場のヒヤッとした感じを抑えられますし、若干ですが 足音などを軽減する防音性も備えているんです。
さて今回、なぜこれを取り上げたかというと・・・ タイトルにあるように、子供部屋に使うことにしたからです。
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我が家の2階の子供部屋は、現在使われておりません。でも、そろそろ自分の部屋が欲しいと言い出しそうな雰囲気。 となると、ある程度は受け入れ準備をしておかなければ・・・。
画像の通り、簡単な机と椅子だけの殺風景な6畳間ですが、 十分に子供部屋として活躍してくれるはずです。 ただ、さすがに築20年を迎えた中古住宅らしく・・・
ご覧のようにフローリングのフロア材はところどころ劣化が・・・。 表面が剥離したような感じですね。見た目には剥離していない部分も ザラザラとした感触で、表面が浮いてきてるのかなーと感じます。
ワックスをかけてもこのザラつきはなくなりません。 劣化したフロア材を貼り替えるとなると、巾木も換えなきゃならないし、 かなりの手間。そんな時間も、金銭的余裕も無い・・・。
ということで、前述のタイルカーペットを敷き込むことにしたのです。 一般的な江戸間の6畳用カーペットを使う方が手間は少ないのですが、 全面にビシッと敷き込むなら、タイルカーペットの方がキレイです。
ところで、タイルカーペットは厚さは約6~7mmあります。 一般的なカーペットよりも厚いので、床面から段差ができてしまいます。 ・・・でも、我が家は築20年のシロモノですから、むしろ問題なし!
ご覧の画像は部屋のクローゼットですが、折りたたみドアの下部分には 敷居があって、床面と段差があります。7mm位のカーペットを敷いたって、 クローゼットのドアがタイルカーペットに干渉することはありません。
部屋の入口もドアの下は敷居があるので、むしろタイルカーペットを 敷きやすい環境と言えます。最近の住宅は、バリアフリーが当然で、 廊下と部屋の床は継ぎ目がないですから、ここまで簡単では無いでしょう。 ・・・と負け惜しみを言いましたが、そもそも新しい住宅だったら、 タイルカーペットで隠したくなるほど劣化なんかしてないもんなぁ・・・。
もしバリアフリーの環境でタイルカーペットを敷くなら、 端の部分は、「カーペットおさえ」のようなアングル材で 床に留めるような作業をすれば、つまずきやめくれも心配なし。
ということで、相変わらずの前置きの長さですが、 早速タイルカーペットの敷き込みをご説明しましょう。
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さて、再度タイルカーペットというものを見てもらいましょう。 表面には毛足があって、裏面はグレーのゴム貼りになっていますね。ゴム板部分だけで3~4mm程度の厚さがあるため、重量はそこそこ。 ゴム貼りの裏面と適度な重量のおかげでズレにくく、さらに カーペット自体がたわんで、シワがよってしまうことはありません。
一般的なタイルカーペットの寸法はほとんどが50cm×50cmです。 厚みも似通ったものが多いでしょう。そのため、どこで買ってきても、 それなりに敷き込めてしまいます。当然色味は揃いませんが。ですから、もしカーペットの一部分が汚れてしまった場合には、 汚れた枚数分だけ、新しいカーペットを購入して敷き変えればOK。 全部を変えなくていいというのも、大きな特徴ですね。色がちょっと違っても、デザインのアクセントと割り切れば、 全然違う色のカーペットが混ざっても、空間に動きが出て 案外楽しいものです。
タイルカーペットの裏のゴム面には、何やら印刷された 矢印マーク「←」があります。なんでしょう? これは、表面の毛足の「目」の向きを示しています。 厳密にはタイルカーペットは織物ではないのですが、 便宜的に「織り目の向き」を示していると考えてもらうと いいと思います。
この画像からわかるでしょうか?同じタイルカーペット2枚を、 矢印の方向を違えて並べた場合の、継ぎ目のアップです。 左は縦方向にスジが見えます。右は横方向ですね。 このスジの方向を示しているのが、裏面の矢印なんですね。 スジがあることで、敷き込む時に床面に表情を作ることができます。
その表情を作り出す方法として、敷き込み方法が 色々あるのですが、最も一般的な方法として、 「市松貼り」というものがあります。これは、上の画像のように隣り合うタイルカーペットの目を、 互い違いに上下方向と左右方向に違えて並べることで、 市松柄のように見せるという敷き方です。
こちらが市松貼りをした4枚のタイルカーペットを示しています。 スジ(目)の方向を赤い矢印で示してみました。・・・どうです? 全く同色のカーペットなのに、柄があるように見えませんか?
目を揃えて(矢印の向きを揃えて)敷き込む方法もあります。 そのやり方だと、最初のうちは毛足もしっかり立っているので、 継ぎ目も見えず全体的に一枚のカーペットを敷いたように見えます。でも、時間とともに表の毛足がタレてくることで、継ぎ目が 目立つようになってしまうそうなんです。それは困る。 ということで、一般的な市松貼りで敷き込むことにしました。
さて実際の敷き込み手順では、まず最初に部屋の中心点を 割り出す作業からです。この中心点が敷き込みの始点になります。 しかし・・・なんで部屋の角から始めないのでしょうか? 部屋の四隅のいずれかをスタート地点として敷き始めると、 敷き込んでいくにつれて、極端に狭い余りスペースが出来たり、 微妙なズレが修正できなくなったりするから、というのが理由です。
ということで、画像にある「墨つぼ」「差し金」「スケール」などを使って 中心点を割り出して十字の線を引きました。ここが中心。 油性ペンで思いっきり書いてやりました。
勿論、墨つぼのような道具が無くても大丈夫。 部屋の四辺で中間地点を割り出し印をつけたら、 そこに糸を張って二等分線をはります。糸が交差する場所が部屋の中心点になります。 糸は、たこ糸でも釣り糸でも何でもかまいませんよ。
タイルカーペットが入っていた箱に、敷き込み方を 簡単に書いてイメージしてみました。 走り書きなので見難くてごめんなさい。 中心点によって部屋が4等分されているのが分かります。 タイルカーペットは、4つのスペースに6枚ずつ並べる ことが出来るのが分かりますね。つまり、4×6=24枚は、タイルカーペットを加工せずに そのまま敷き込む事になります。
一応画像で表現してみました。 敷き込む順番や、市松貼りの向きが分かるでしょうか。部屋の隅は中途半端なスペースが空いていますが、 ここにはタイルカーペットを加工して敷き込みます。
今回、我が家の場合は、タイルカーペットを床面に 貼り付けないで施工するので、両面テープや接着剤は 一切使いません。はがすとき大変ですしね。ただ、敷き込みながら動いてしまっては困るので、 この画像では中心点に近い1枚目のタイルカーペットに 中身の入った箱を重石にして動かないようにしています。
ご覧のようなスペースが残ります。 この画像で上の空いている部分は幅30cm程度。 右手の部分は、幅24cm程度。 右手の部分が24cmと言う事は50cm角の タイルカーペットから2枚分切り出せますね。 上の部分は30cm使っちゃうので、残った部分は使えません。
市松貼りなので、こんなカンジで敷き込むんだなーと 頭の中でイメージします。
では、タイルカーペットの敷き込みで最も重要な カーペットの切断方法をご説明しましょう。
一番端の部分にタイルカーペットを裏返して置きます。 この裏返したタイルカーペットを切断して、 空いているスペースに納めるカタチになります。 この画像の場合、裏返したカーペットの上方向に カットしたタイルカーペットを入れ込みたいのですが・・・
ここで注意すべきは、矢印の向きです。 収めたい位置には、どちらの向きでカーペットが入るのか しっかりイメージしつつタイルカーペットをスタンバイします。
次に、裏返したタイルカーペットの上に、もう一枚、今度は 表向きにしたタイルカーペットを置き、ズラして壁に当てます。 この状態で、2枚の重なりの際(きわ)が切断線になります。
その重なっている際に直尺(ものさし)などを置き、 カッターナイフで沿わせて切り込みます。
そこそこ厚みもあるゴム板なので、一発で切ろうとは しないで下さい。余分な力が入って危険ですし、 直尺からズレて切断線が曲がってしまうこともあります。
直尺をキープしつつ、カッターナイフで2~3回切り込むと ご覧のように切れます。ただ、この状態では、まだ 表面の毛足の部分は切断できていません。
カッターナイフで毛足まで切る方もいらっしゃるでしょうが、 個人的にはゴム下地が切れたら、毛足はハサミで切ります。 カッターナイフだけだと、余計なところを切っちゃいそうで・・・。
そうして切断したタイルカーペットを、空いたスペースに 敷き込みます。当然ですがピッタリ!! この時、自分で切った 辺は、さすがに機械ほどまっすぐでは無いので、壁側にします。
この画像で行くと、上側ですね。 となりのカーペットとの継ぎ目を分かりにくくする為です。 この収まり方まで考えておいて、最初に裏返すんですよ。
残りの空いている部分も同じ要領でハメ込んで行きます。 ピッタリ壁まで敷き詰めたので、もうズレません。
クローゼットの化粧枠部分は、形を合わせて切り込みます。 この部分は、厚紙を台紙として現物合わせで型紙を作り、 それを元にタイルカーペットをカットしました。
約26cm幅と約20cm幅のタイルカーペットが余りました。 20cmの方は、もう使い道が無いかな・・・。 26cmの方は部屋の反対側でまた使えるから無駄がありません。
敷き込んでいたら、この方法もアリかな・・・と思ったのが、 切断するカーペットを、敷きこんだカーペットの下に 裏返して滑り込ませ、切断線を決める方法。 このやり方でも、ちゃんと敷き込めますが、 潜り込ませた状態でカッターナイフの刃を入れると 床を切ってしまう可能性もありますので、ご注意を。
部屋の入口部分が一番凹凸が多い部分なんですが、 型紙を作ってしっかり逃がし(切り込み)を作ったので ビシッと敷き込めています。
なんやかんややってるうちに全部敷き込み出来ました。 外はもう真っ暗。でも、のんびりやってトータル3時間くらい。 何枚か向きを間違ってしまい、無駄にしてしまいました・・・。
この画像でも、なんとなく市松柄になっているのが 分かるでしょうか?うんうん。キレイなもんです。よく見ると、机の脚の下に小さいタイルカーペットが 置いてあるのも見えますか? 20cm幅位で余ってしまったタイルカーペットを 捨ててしまうのも勿体無いので、跡付き防止として 机の脚の下に敷いてみました。
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さて、我が家のこの部屋の場合、計算上42枚で全面敷き込み 出来るんですが、結局44枚使用しました。ミスったんで・・・。 関東で一般的な江戸間6畳だと、48枚ほど使用します。
1枚270円で販売しているタイルカーペットなので、(本来)42枚分使用していますから、コストは11340円!! ※お値段は記事作成時点のものです。
良くあるお手ごろな一枚物のカーペットと比べると、 ちょっと割高くらいのお値段で、このきれいな仕上がりと DIYの達成感が味わえる。うーん、オススメですよ。 フローリングが傷んできちゃったけど、 いい床材ないかなぁと思っているアナタ! どうぞお試しあれ!!
この記事が、どなたかの参考になれば幸いです。