生垣をお手入れしよう!(ツゲの剪定・ヘッジトリマ)

  庭師さんに会いたければ、生垣を放っておきましょう(笑)     冗談はさておき、我が家の生垣のツゲ(柘植)が伸び放題です。 もうボサボサで厚みも増してきました。この惨状を看過できず、 いろいろな庭師さんが家庭訪問して下さるようになってしまいました。     これはマズイ。ずっと叔父(これまた庭師)に頼ってきましたが、 どうやらお忙しい様子。さてさてこうなったら、一応道具はあるから、 自分でやってみることにします。初めてなので不安ですけどね…。                 用意した道具がこちらです。 左はいわゆる刈り込み鋏(かりこみばさみ)。 右がヘッジトリマです。植木バリカンとも呼びます。     (芝生用のバリカンの方をよく「バリカン」と呼ぶので、 混同しないようにヘッジトリマと呼ぶことの方が多いです。)      ヘッジトリマは、ブレード(刃)のバーの長さやモーターの 大きさにより種類があります。今回用意した製品は、バーサイズが 260mmという、ヘッジトリマでは最小クラスのものです。    最小クラスといっても始めての私が使うには十分なサイズでしょう。 こちらは約1年前に1万円弱で購入したものです。 (使うつもりで買ったのに、実際に使うのは1年後となってしまいました…。)            10メートルの延長コード(黄色)が付属品でした。  作業中、このコードを切断してしまうことが良くあるそうです。 電流が流れるコードを切ってしまうのはやはり危険。注意しましょう。          さて、電動で刈れるヘッジトリマがあるのに、私ははさみも用意しました。 わざわざ手工具を用意したのはなぜでしょう? …それは、トリマを使う前の準備に必要だからです。    ヘッジトリマは製品により切れる枝の太さが決まっています。 たとえば、この製品だと、直径約10mm程度までの枝が切れます。 (枝の乾燥具合などにより切断可能な太さは前後します。)     つまり、それ以上の太さの枝はこのヘッジトリマでは切れないということです。 切れたとしてもモーターや駆動部など各所にストレスがかかって 故障の原因となってしまいます。      この写真のように、ニョキッと飛び出した枝などは、直径が太い場合が多いです。  ヘッジトリマをかける前に、刈り込み鋏を使ってある程度太い枝を 先に切っておくようにしましょう。      今回用意した刈り込み鋏は刃の元の方が緩いカーブを描いています。 このカーブ部分を使うと結構太い枝も切れます。 道具には、正しい使い方・正しい対象物があります。ちゃんと使い分けしましょうね。              では、刈り込み鋏で太い枝を事前に落としたら、 実際にヘッジトリマの用意をして使ってみましょう。      まずはブレード(刃)にミシン油を差してやります。 これで2枚の刃がこすれる動きをするブレードがスムーズに動きます。 作業中も1時間おき位に注油してやるといいそうです。     刈りながら「刈りクズ」を集められるチップレシーバを取り付けます。 たしかにこれをつけておくと、クズをサッと払いのけやすいですね。      本体側の電源コードは数10センチほどの長さで、 付属の10m延長コードを使って電源をとります。 黒いプラグクリップをつけて、不意に電源コードが抜けないようにします。      動かすには、1のロックオフボタン(ロック解除ボタン)を押しながら 2のスイッチを握ります。安全のためにダブルアクションになっています。     どんな電動工具でもそうですが、基本的な使い方の決まりとして 電源コンセントを差すのは準備がすべて終わって、最後にします。 電源をとってから刃先・駆動部などを触るのは非常に危険だからです。     電気で動く工具ですから、不注意から事故を起こし怪我をする場合もあります。 怪我を防ぐためにも、「電源は最後」と考えるようにしましょう。 各所の安全を確認してからコンセントを差し込む癖をつけましょう。     また、電動工具を使うときは、素手でなく、手袋などを着用しましょう。 滑りにくく、刃で切れにくい、革手袋などをつけるといいでしょう。   では、実際にヘッジトリマを使っている動画をご覧ください。 どんなふうに切れるのか、どんな音がするのか、参考になさってください。     音が出ますのでボリューム確認をしてから再生ボタンを押してください。       映像では、ツゲの側面を刈り込んでいます。…ヘタですね。 この動画は、やり始めたとき撮影したのでこの程度の腕前ですが、 20mかけおわった後はもうすこし上手になりましたよ。     ツゲの場合、枝ぶりの上の方は大胆に刈り込み、下の方は残します。 ちょうど跳び箱型というか、台形になるようなイメージで刈り込んでいきます。      上の方の枝は成長しやすいので、しっかり枝を落とさないとだんだんと 枝の太さが増していき枝ぶりの厚みが増してしまうそうです。 側面上部は、緑の葉っぱがなくなるくらい刈り込んでいきます。     しかしいざ実際に切っていくと、こんなに葉っぱを切っちゃって枯れちゃったり しないかな…と不安になりました。そこで庭師の伯父に電話して確認すると、 この時期(8月下旬)なら、大丈夫とのこと。      側面をだいぶ刈り込んでも、天面は緑を残して揃えれば大丈夫という 叔父の言葉を信じ、言われたままにヘッジトリマを操ります。 (本当は春に刈り込んでやるのが一番良いらしいです。)     すると作業に集中してヘッジトリマを動かすことに没頭。 だんだんと頭の中が空っぽに…。無心です。…楽しいかも。              では、実際に刈り込んだツゲの生垣の写真を載せます。 刈り込み前と後を載せています。定点撮影をしなかったので 前後で画像のアングルが少し変わっていますが、同じ場所です。           ↑ちょうど動画で作業した場所です。こんなにボサボサでも・・・ こんなにスッキリ。側面上部はだいぶ茶色い枝が見えますね。           ↑やっぱりボサボサでしたが・・・ スッキリしました。台形型に刈り込んであるのが分かりますか?             ↑ここは一番日当たりのいい場所なので、一番ボサボサです。 結構ちゃんと「面(ツラ)」を揃えることに成功しました。                ツゲの天面にはみどりの道ができました。はじめてやったにしては、 そこそこの出来かな?と自画自賛。         実際やってみて気付いたことを書いておきます。     ヘッジトリマで枝を切るときにいつも同じ決まった方向からブレードを なでつけるように切っていると、枝は切れずに押しつけられただけになります。 少し時間がたつと枝が起き上がってきて、また面が凹凸になってしまいます。     一定方向からばかり切らず、行って帰って往復するようなカタチで切ってあげると 均等に整えられるのかな…と思います。         総括すれば、ヘッジトリマはやはり便利で、カンタンでした。この作業を すべて刈り込み鋏で手作業でやる、なんてことは考えられません。 本当に電動工具って、エライですね。     ただ、電動だろうと手動だろうと、大変なことが一つあります。それは・・・ 切ったツゲの切りクズ集めです。かなりの切りクズが地面におちますから、 それをまとめるだけでもかなりの手間です。         屋外用の箒は我が家には柄の短い「短柄シダほうき」しかなかったので、 中腰で刈りクズを集めたわけですが、いやもう腰が悲鳴を上げました。 竹箒や長柄シダほうきがあった方が絶対良いです。     ブロアバキュームという落ち葉なんかを吸い込んだり、吹き集めたりする 電動工具があるんですが、あれの存在意義が分かりました。 あれがあったらクズ集めは楽だろうなぁ…。欲しい。          さて、ひととおり終わったら、大切なのは工具のお手入れです。     ヤニとりスプレーを吹きつけ、ブレードのヤニや汚れを落としてあげます。 次に使うとき気持ちよく使えるようにするためには、大切なひと手間です。     汚れやヤニが付いたブレードも… ヤニとりスプレーやクリーナー・雑巾を使ってゴシゴシ。写真の赤丸の 部分のように、キレイにします。汚れを落としたらブレードにミシン油を塗ります。 あとは、製品付属のブレードカバーをつけたり、新聞紙でくるんだりして保管します。                 さて、いかがでしたでしょうか? やり始めから後片付けまで、トータルで5時間の大仕事でした。 でも、思いのほかきれいに仕上がってくれたので、すごく達成感がありますね。     始めて使うということで不安だった、ヘッジトリマも大活躍でしたし、 正しい使い方をすれば、危険も無く効率よく作業できることが分かりました。     皆さんも、ご自宅の生垣が気になってきたら、ぜひご自分で手入れしてみてください。 なるべく労力をかけないための道具は私たちのお店に揃えてあります。 ぜひ店頭で、どんなことがしたいのかご相談ください。